植物の栽培では、何と言っても水のやり方が大事な技術の一つです。昔から専門家の間では、「水やり3年」といわれるほど修行が重視されてきたほどです。
ところがストレリチアは乾燥に耐えるため、水のやりかたが間違っていても、その反応がすぐには表われないのです。その為に、栽培者の中には、これでいいんだ、と安心してしまう人も少なくありません。ここがストレリチアの怖ろしいところなんです。扱う人が、未だ、初心者なのに、ベテランになったような気分にさせてしまいます。ストレリチアに、その気がなくても、結果として、そうなってしまうのです。
一番、陥りやすいのが、水やりの量の少なさです。植え替え当初は土が軟らかく水をよく通しますが、その内に、段々と固くなり、なかなか水を受け付けなくなってきます。ここから怖ろしい事態が始まるのです。土は、いったん乾かすと、そう簡単に水を吸わなくなってしまいます。そこへ少々の水をかけても表面の1cmか2cm程度をぬらすだけで、肝心の根には届きません。
普通の植物でしたら、ここで枯れてしまうのですが、ストレリチアは耐える方法を持っています。こんなに水が少なくては大変だ、とばかりに水を貯める貯蔵根を殖し始めるのです。
こうなると地上部の葉や茎はそっちのけで根ばかりが大きくなって釣り合いがとれなくなってしまいます。花も小さく、少なくなり、生きるのに懸命の姿です。
このようにして1、2年は耐えてくれますが、さすがに3、4年もすると根が目立ってきます。こうなって初めて人も気づいてくれるのです。こんなところを見ると、貯蔵根が殖えすぎるのは、水やりが間違っていたのではないかと思うほどです。簡単に言えば、間違った水やりに気づくには、1、2年どころか、3、4年も掛かってしまうということです。
では、どういう水やりがよいかは、他の章で書きましたので、ここでは省略します。ストレリチア栽培は楽には違いありませんが、甘く見過ぎると思わぬ落とし穴もあるということです。でも、枯れはしません。そこがストレリチアらしいところといえましょう。

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