いつもは育っているのか、いないのか、わからないようなストレリチアも夏の成長期には、見た目にも育った様子がわかるほど大きくなってくれてホッとします。
ここで初心者は間違いを起こすのです。
「何だ、ストレリチアとは特別な植物か、と思っていたら、普通の植物と変らないではないか」
と、思い込みがちです。ところが、手慣れたベテランは、「元気な姿を見せているのは暑い夏のあいだだけさ、涼しくなれば、すぐにもどるよ」と安心していません。短い、臨時のことと受け止めているのです。
自生地の状況と比べても、少々、気がかりなのです。日本の夏は湿度が高すぎるのです。気温の高さは問題ではありません。乾燥地帯の日中の高温は大変なものです。40度を超えるのは珍しくありません。しかし、湿度は別です。いくらストレリチアでも、高温、多湿の中では組織が柔らかく育ちやすいのです。そこへベト病の細菌が侵入したらたまりません。これを防ぐには、たった一つ、環境を乾いた状態にするしかありません。
生長が楽しめる季節は、同時に危険が裏に潜んでいることを知るべきです。

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