レギーネは、もっと早く、グラハムズタウンからイーストロンドン一帯に何カ所にも拡がりましたが、ジャンセアはずっと遅れて旅立ちました。パテンシィの丘の麓から突然のように葉を小さくしたパービフォリアに姿を変えて丘に登り、最後は葉を失ったジャンセアとなったのです。でもここは最終の適地ではありませんでした。何しろ狭すぎたのです。東へ向かい 60kmも離れたポートエリザベスのゲランセ峡谷にたどり付いたのですが途中の経過は分っていません。途中の平野は大洪水で流されてしまったのかもしれないのです。ようやく見つけたゲランセ峡谷も狭くて大きく拡がることは出来ませんでした。数十株に満たない数だったようですが、数十年前に盗掘、開発で消えてしまいました。本格的な移動は、もう少し奥のユイテンハーグでした。ここで、ようやく本来の自生地を発見したのです。
これは現在でも変っていません。その後、お隣のブラックヒルにまで進出したのですが、ユイテンハーグほどには至らず、そこで止ってしまったようです。つまりは、ここが最後の自生地といえるでしょう。
このように最後に進化し、苦労の果てにたどりついたジャンセアには、未だ、我々には知ることが出来ない能力を秘めているのではないでしょうか。これからも、ぜひ探り当てたいものと期待しています。
なお、参考までに付け加えますと、レギーネ自生地の年間降水量は 500㎜で農業は可能ですが、ジャンセア自生地は300㎜で半の放牧ぐらいの乾燥地です。

コメント