苞の赤紫色がストレリチアの将来を決定するのではないでしょうか
ストレリチアの花が人々に強い印象を与えてきたのは、鳥の形をした奇妙な姿が珍しがられたことにあるでしょう。最初にロンドンのキューガーデンで開花して以来、次々と描かれた印刷物が伝えられています。今、見ますと、随分、奇妙なのです。
それは、現在のストレリチアの写真とは、ずいぶん違うからです。花の形だけを強調していて、色彩が地味なのです。美しさは脇に置かれ、形の面白さだけを正面に出しています。
この感覚は今でも続いています。萼片のオレンジや黄色を気にしても、苞の色彩を問題にしない人が、未だ、相当な割合でいるのです。これは18世紀の初期の頃の印象を引きずったままで、何ら進歩の跡が見えません。
実は、すでに大きな変化が起きているのです。花弁の色はオレンジと黄色しかありませんが、苞のは千差万別で驚く程、華やかになってきています。まだ数が多くないので一部の人にしか知られていませんが、やがて、これがストレリチアの常識となる日が近いのは間違いないでしょう。それほど美しさに違いが出てきているのです。或る花が世の中に受け入れられるかどうかは、その花の長所の印象次第ではないでしょうか。ストレリチアの花の赤紫色の苞が人気を呼ぶ日が来るのを信じています。

- ストレリチア秘話No841 「シェークスピアのおかげ」と思っています
- ストレリチア秘話No.840 夏の生長期は楽しくもあり、また、危険でもあります
- ストレリチア秘話No.839 ストレリチアは赤色の進化に向かう!サンバードの影響か?
- ストレリチア秘話No.838 ストレリチア 進化の不思議(疑問)
- ストレリチア秘話No.837 ストレリチア品種の性能を100%発揮させるには
コメント