ストレリチア秘話No.837 ストレリチア品種の性能を100%発揮させるには

 その品種の持って生まれた性能を100%発揮させるのが栽培技術です。ところがストレリチアのような永年作物は、それだけではすまないのです。年数をかけて十分に力を蓄えさせないと力が出し切れない性質も併せ持っているのです。長い栽培経験を持ちながら、今更、と情けなく感じさせられることがしばしば起きます。

 ストレリチアの評価は、短期間内にすませると、後になって変更しなければならなくなることが珍しくありません。或る品種を「やや矮性」と断定しました。ところが、数年後になってみると、普通の品種に引けを取らない大きさに育っているのを発見しました。ストレリチアは評価さえも「ゆっくり、ゆっくり」でなければならないことを思い知らされました。若い頃は柔らかな植物体だったのに、数年後はカチカチにしまった姿に変身しているのをみることもあります。ジャンセアやパービフォリアに多い現象です。

 花色が濃くなることもあります。近頃では、花粉の出来ない不稔性の花さえ、今年は出来ているかも知れない、などと甘い期待までするほどです。どうも、生物とは、融通のきく部分もあるのではないかとの憶測までしてしまいます。

 だからといって、すべてが、こうなると思っているわけではありません。決定は早すぎないほうがいいですよ、ということなのです。

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