ストレリチア秘話No.782 ストレリチアの在るべき姿その1「実用植物として」

 一日にストレリチアといいますが、この植物に対するイメージは、人により、目的により、様々に変化しますから、これを混同してしまうと混乱が起きますので、ここで、改めて整理してみようと思います。

まず、分けておきたいのは、ストレリチアに対して抱くイメージといいましょうか、何を望むか、の要求の違いです。大きく分けて二つになるでしょう。先ずは「実用植物」として切り花栽培、鉢物生産、販売の業務として扱う立場です。

 この場合、ストレリチアは「もの」になります。第一の目標ではなく、「手段」になるわけです。ここでは、実用性が求められますから、株の性能が重視され、それが評価の基準となるでしょう。性能優先が実用植物の使命なのです。現状は必ずしも、こうはなっていないでしょう。それは、昔の素朴だった時代を、まだ残しているからで、将来も続くわけではありません。需要の側からは、優れた花の供給は当然なのですから。

 幸い、技術上の進歩でストレリチアの水準は上がってきていますから、やがては美用面にも波及していくことでしょう。でも心配な面もあります。それは、この分野の人たちの中には、ストレリチアに対する敬意が弱い傾向があることです。これは仕方ない面もあります。

 何しろ、ストレリチアは手段であって目標ではないからです。このために深く関わることを避けるために世の風潮から遅れてしまうこと起きやすくなるのです。

 理想は純然たる手段から、目的に近づいてくれることですが、そう、簡単なことではないでしょう。でも、手段としてだけストレリチアに関わっていたのでは進歩はないと心得べきでしょう。

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