ポートエリザベスを初めて訪れた 2日目、ジョバート公園のシェルトン園長が仕事のために園長代理のギブス氏が代わりに私をレギーネの代表的な自生地、ブルートの谷を案内してくれることになりました。
車で約2時間のグラハムスタウンで昼食をとり、コミティースへ向かいました。途中のエッカ パスを過ぎると、いよいよ、プルートの谷です。何の人工物もない大きな谷なのですが、気のせいか、余り、良い景色とは言えません。何しろプルートとはローマ神話の地獄の神ですから、日本でいえば閻魔大王です。この谷は日本語風にいえば『地獄谷』なのです。そんな雰囲気がないこともありません。
そこの大きな、長い丘の斜面にレギネーが数十株以上も散在しているのです。谷間には刺のあるアカシアが多く、とても近寄れる状況ではありません。遠くから眺めるしかないのです。でも、私にとっては、初めて見るストレリチアの自生地なのです。感激に浸って立ち尽くしました。近寄れませんからカメラの望遠レンズで聞くしかありませんでしたけれども。
夕方近く、やっとポートエリザベスへ帰り着くと、シェルトン氏が待ち受けていて、「ミスター スズキ。プルーの谷の自生地、エンジョイしましたか?」と問いかけてくるのです。私は一瞬、戸惑いました。現在ならともかく、当時の日本人の感覚では、「感激しました」であって、「楽しむ」気分にまではなっていなかったのです。そこで私は、これからは『感激』を越えて「楽しむ」心境にまでなろう、と思い立ったのです。
あの時の気分、未だに忘れられません。

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