この「秘話」には、やたらにストレリチアの自生地の解説が出てきますが、それにはわけがあるのです。ストレリチアの栽培にあたっては自生地の環境条件を知って、そのままコピーすれば良いという簡単なことではありません。
ストレリチアは、既に故郷を旅立っています。しかも遺伝的には新たな地域で生まれ世代です。ストレリチアは適応の中が広く、移住地で十分に生きてゆけますが、それでも基本は変っていないはずなので、それを知らないことには対策のたてようがありません。
植物の働きはその環境と調和しています。環境に相応しい様式で生活する植物は、その環境を知り尽くしているのです。それを確認するのが自生地調査なのです。私のこれからの仕事は、ストレリチアが自生地で身につけた基本を移住先で、どこまで拡張出来るかを調べることにあると思っています。現在、すでに起きている日照不足の弊害は、自生地では起こるはずのない現象なので、ストレリチアは耐性を持っていないとみています。その他、色々な問題が起きてくるでしょう。

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