一般の人はストレリチアを一鉢しか手に入れませんから、その株ですべてを判断するしかありません。ところが私のような育種家は集団として扱いますから見方が少々、違います。
個体としてだけでなく、その系統によって集団としても差があることです。
オレンジ プリンスとゴールドクレストは全体が平均以上の表れ方でしたが、次のオレンジ ジャンセアは確率が非常に低くなってしまいました。これは交配の親株の性能の問題でした。ところが、2024年に開化したジャンセアゴールドは★★★星以上が多く現れてきました。人は★★★★★星を多く望みますが、私から見ると中級以上でも十分な美しさを備えています。つまり、当たり、外れが少なく全体のレベルが高いのです。言い方を変えれば、この交配の組み合わせは良好だったと言うことです。こういうことは、一鉢見ただけでは分りません。全体を見渡しての判断なのです。個体判断に対して系統判断ともいうべきものです。
これからも毎年、新しい交配が交配が開花してきますが、系統によって差があることに驚いています。勿論、良い組み合わせの系統ほど優秀花が出る確率が高いのですから、気になるのも仕方ないことです。

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