ストレリチア秘話No.800 ストレリチアは鈍いのでなく反応が遅いだけなのです

 「秘話 800号」を記念してストレリチアの特殊な性質の一つを探ってみましょう。

 ストレリチアは鈍感だといわれますが、感じていないわけでなく、反応が遅れるだけなのです。初夏になると気温が上がり、雑草が繁茂し始めますが、ストレリチアはゆっくりしたものです。このスローペースは夏まで続きます。それが8月末頃になると、思い出したかのように調子が出てくるのです。驚くことは、これが涼しくなった秋になっても続きます。

 もう、すでに気温は下がっているのにです。一年草は冬が来るまでに、すべての作業を終えていなければならないのですが、多年草のストレリチアは冬どころか春まで、少しずつ生長を続けます。ゆっくり、ゆっくりなのです。

 生長だけではありません。すべてが、この調子なのです。それだけに俊足の細菌に侵入されると対応が間に合いませんから被害を受けてしまいます。でも、体の外側を荒らす病原菌は動きが遅いですから十分に対応出来てビクともしません。害虫に対しても似たようなものです。葉に穴を開けるミノ虫は動きが遅いので、人が発見してくれれば簡単に除去出来ます。でも、この場合は自分でやるのではなく人に頼るわけですけれども。

 どうもストレリチアは、武道の言葉を借りると、「先々の先」のような素早い動きは出来ないけれども、相手が攻めてくれば「後の先」で対抗できるのです。ストレリチアのゆっくりした行動の仕方は満更でもありません。しかし、栽培する側の私たちは、このペースに合わせなけばならない辛さを背負っています。

 

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